原本をPDF形式でスキャンしたものです。
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およそ15年前、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホについてのエッセイ評論を出版したのだが、その本をここで公開しようと思う。書籍のスキャンサービスというものを教えてもらい、そこに頼んで1冊まるごとスキャンしてPDFにしてもらったのだ。最初は、ためしに売ってみようか、とも思ったのだけど、期せずしてこんどの10月からゴッホ展が開催されるのを知り、記念に無料で配ってみようかと思い直した。
ところでゴッホ展だが、日本ではおそらく集客力ナンバーワンのゴッホなので、さぞかし混雑するだろう。ふだん混雑がイヤで展覧会へはほとんど行かない自分だが、今回はちょっと覚悟して向かおうと思う。展覧会ホームページを見ると、ずいぶん楽しげな企画と抱き合わせて宣伝している。国立新美術館の開催なので他の美術展とはノリが違うのかもしれない。ゴッホカフェとかオフィシャルテーマ曲とかゴッホファンクラブとかマスコットキャラクタ「ゴッホさん」とか、なかなか笑える。
なんだか、ここまで来ちゃうとかえってサバサバしていていいかもしれない。
それで、今回公開している僕の本であるが、こちらはけっこう真っ向からマジメでシリアスである。25年前にゴッホに初めて出会って自身の人生まで変わったと公言するほどのめり込み、その果てに書いた本なので、まあ、当然である。さすがに当時の没頭の仕方が並じゃなかったせいで、世界のゴッホ研究家たちでも決して気がつかないような洞察が、本の中の随所で出てくる。自賛になってしまうが、見せ場がたくさんある文章にはなっていると思う。
ただ、文章の中で参照されている画布について、出版のときはいちいち写真を載せられなかったので、そのへんが少し残念である。これについては、このPDF出版と平行してHTMLでウェブサイトを作っていて、そこにはふんだんにカラー写真を挿入して公開しようと思う。まだそちらはできあがっていないが、できしだい、アナウンスしようと思う。
それではこのPDF出版、モニターで読んでもよし、プリントアウトしてもよし、あるいは、iPadなど持っている方は特に優雅に電子ブックとして読んでいただければ、かつての印刷本の筆者としては二度うれしいという感じだ。
2010年9月 林正樹